現代版モビルスーツ小説(序章)
西暦・・・・・いや、言う必要は無いだろう。
平成ははるかかなたの古代とはまだ成っていなかった。と言うより、
もう少しで平成より何十年かが過ぎようとしていた・・・・・・
先ほど、人類初の「コロニー」が火星近くに設置された。月の都市の完成も間近だと聞く・・・
ー沖縄ー
新開発ー・・・といってもこの時代ではもう量産化されている、
垂直離陸可能なVトール戦闘機が新型の基地のようなものの上を飛んでいる。
今日は米軍基地と自衛隊の基地が試行的に一箇所だけが統一される日である。
何より県民もその方を望んでいたし、米軍も本国コストお抑えられる、
何よりもほぼ無償で戦力が加わったようなものだ。
だが、「新基地の施設では明らかに警備が多いような気がする」、
と付近に住む住民の1人はそういっていた。
ポ〜ン・・・・
東京の成城辺りに位置する男子高校・・・確かに、最近校舎を建て替えたらしく見栄えは良い。
どうやら、今の音は授業の終わりを告げるチャイムだったらしい。
「ふ〜う、終わった終わったぁ〜。。。行こうぜ、白川」
そう、1人の普通よりは少し大柄の生徒が言った。身長は微妙に高い。一見日本人である。
「待ってよ、崎山。俺まだPCのシャットダウン終わって無いんだよ。え〜と、次の教室の座標は・・・」
そういった少年は、小柄の純日本人である。
「おぃ・・・・・白川・・・お前・・・・・なんだ?それ・・」
崎山と呼ばれた少年が彼のパソコンを指差す。見ると、彼のパソコンに右下の画面に「ウイルススキャンシリーズアップデート」の項目があった。最終更新日、2月3日。
「・・・お前、何日サボったんだ・・・?今日は3月25日だぞ・・・?」
今の時代、そう、学校でも授業にPCを導入するようになった。
人類は、やはりコンピューター無しでは生きていけない、そう裏付けるような印象を与える時代が今と言う時代である。
「・・・・・・・やば」
しかし、このような時代の今ではコンピューターウイルスもかなり発達している。
1週間に100以上は新種が出ると言う。
「僕のパソコンで繋いでスキャンする。教室の座標は(3,2)、化学室だ。さっさと行け!!」
あたふたと繋げたパソコンを持ち、エレベータに向かう2人の少年達。
周りからは比類が無いほどの滑稽に見えた。
「何だと、168個もウイルス見つかってるぞ!!!どうすんだよ、これ!!」
崎山がそう言い残しながら白川の頭をポンと一回軽く叩いていった。
再び、場所は沖縄に戻る。
基地の柱と柱に結び付けられた煌びやかなテープが、
アメリカの代表者と日本の代表者がもったはさみによって切られた。
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!壮大な歓声が響き渡る。
「すみませんが、宜しいですか?」中年の眼鏡をかけた男が、司令室に何かを言った。
とたん、アメリカ人の責任者の顔色が変わった。
彼は早口で監視制御室に内線を繋ぎ英語で何かを言った。
歓声のさなか、ズズン、と地面が揺れた。
というより、基地の何かで大きな何かが動いた。
その原因らしい基地の最深部にある「ブラックシールド」。
その中を見ようとした米兵の頭が吹き飛び、首から鮮血が噴出す。
「早く行け!!」
黒い服装、いや、特殊スーツに身を包んだ男が言った。
黒い、影とも言うべき何人かが「ブラックシールド」を突き破り中に侵入した。
警告が鳴り響いた。「エマージェンシー、ブラックシールドが破壊されました。エマージェンシー!!」
それを聞いたとたん、歓声は止まり、司令室からは恐怖の声が上がった。
先ほどお中年の男が言ったのは、ブラックシールドの監視カメラが停止していると言うことであった。
「・・・これだ・・・」
先ほどの黒い特殊スーツに身を包んだ男が言った。
とたん、「ブラックシールド」の外側から米兵の機動隊が現れ、彼の隣に居た男は蜂の巣になった。
「っち!」彼は舌打ちすると、「そこ」にあった新開発らしいマシンの電磁保護フィールドを解除した。
そこにあったのは、まさに例えるのが難しい・・・・・
率直に見た目を答えるのであれば、「鉄の巨人」であった。
米兵の熟練した機動隊のマシンガンは、黒い特殊スーツの男達を次々に地に倒れさせた。
だが、残りの3人がその「鉄の巨人」の内部に入り込み、3体を起動させた。
ブウウン・・・・
重い機動音が基地の外にまで聞こえた。
突如、悲鳴が上がり、1人が逃げ出した。
すると、周りに居た全員が逃げ出した。
ただし、米兵、自衛隊隊員は、機銃を構え、辺りを見回している。
地下の米兵機動隊は、発進しようとする「鉄の巨人」に跡形もなく吹き飛ばされた。
鉄の巨人が手に持ったその比べ物にならない大きさの「マシンガン」で、だ。
基地の前のコンクリートから、地下発進用エレベーターが下からあがってくるのが見えた。
司令室は止めようと思うのだが、エレベーターは止まらない。
鉄の巨人は確実に下から上へと上がってくる。
1人の制御コンピューターの管理者は、あることを思い出した。
それは、「ウイルススキャンアップデート」を警告から3分放って置いたのだ。
並たいていでのコンピュータウイルスでは感染はしない。
しかし、新しく意図的に作られ、意図的にー
この制御コンピューターに送られたのであっては話は別であった。
地下から地上へ出た「鉄の巨人」は基地の最上部にある司令室を、
手に付いた砲台のようなもので撃った。
その弾は、発射されてから長く伸びー・・・ブウンという音を出して真直ぐに向かっていった。
新開発の・・・「ビーム兵器」らしい。
「キャアア」・・・女米兵の数人が悲鳴を上げた。というより、上げられた者はまだ良かったであろう。
直後、悲鳴を言わなかった者・・・言ったものも含めは、司令室と共に蒸発した。
3機の鉄の巨人は、空から砲撃してくるVトール戦闘機を次々に「墜とす」と、
大気圏から只今効降下して来たであろうシャトルに格納された。
そして、そら(宇宙)に飛び去ろうとした刹那、158式ビーム砲台が火を吹いた。
そして、それは一機のシャトルのバーニアに直撃した。
直後、「それ」は真っ赤に輝くと・・熱であろうか・・・シャトルを膨らませ・・・
シャトルは四散した。恐らく、乗務員は全員死亡であろう。
そして残りの二機は砲の最充填中、そらへと舞い上がっていった。
ー3月25日14:08:32ー
基地はー新兵器、「モビルスーツ」がテロ組織「アルカイダ」によって奪取されたと、
米軍、自衛隊、各本部に通達した。